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佐渡1周 その6 [フォトラン]

「その1」から読む場合はコチラから
http://hasekururu4th.blog.so-net.ne.jp/2014-09-27

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第4エイドを出ると、前方に沢崎灯台が見えます。
これで佐渡の南端まで来たということになるでしょう。

「残りフルマラソンとちょっと!」と、もう少しでゴールな気分で第4エイドを出ましたが、
出てすぐに股ずれが再発して、走るに走れない状況に・・・・・・
エイドでワセリンを塗りなおした時に、タイツを履きなおしたのが悪かったようで。
タイツって密着しているのに、長時間動くと擦れるんですよね。
タイツの有効性は履いていてなんですが疑問に思っているんですが、
超長距離の時だけ、御守りのつもりで使用しています。
先のエイドでこうなった時も、身体を動かしてタイツの位置を調整していくうちに解消できたので、
ストレッチしたり引っ張って動かしてみたり、痛みのない位置にならないか四苦八苦。
そんな俺の様子を見ていた、後ろから来たランナーが、
「股ずれですか?」と声をかけてくれました。
はは、と笑ってそうなんです、と答えるしかありません。
まぁ、あとちょっとだからなんとか行きますよ、と彼を見送りました。
タイツがどうにかなれば、動けるのでこちらはそれまでの辛抱ですし、
残りはフルマラソンですしね。

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海の向こうにゴールのある大佐渡の南端が見えてきました。
おおー、あそこの裏がゴールだな。
あそこまで50kmちょっとかー、明日の朝までなら十分間に合うな~

自販機の前でランナーが止まっている。
俺はまだ8分目以上ボトルに残ってたので、ここはスルーかな・・・と通り過ぎようとしたら、
「この先10km以上自販機ないから、持ってなかったらここで買った方がいいよ」
と、声をかけてもらいました。
まだ水分には余裕があったものの、10kmないと言われると心配なので、
1本買ってバックパックにストックしておくことにしました。
以前に出たことがある方なんでしょうね。経験者のアドバイスはとても助かりました。

ウルトラのランナーって、みなさん結構気さくにこうして声をかけてくれるんですよね。
その辺もウルトラマラソンの魅力な気がします。
俺も、苦しそうに走っているランナーには声をかけたりしてはいますが。

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枕状溶岩の広がる海岸に「潜岩(くぐりいわ)」です。
その模様が特徴的ですね。

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先端のひとつだからアップダウンは仕方がない。
わかっているけど、ここまで150kmの道程を進んできたことを考えると、
足が進まないのも仕方がない。
しかし、走ってもこんな風景があちこちで見られるのでは、すぐに立ち止まる気もする。

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ようやくアップダウンを脱した感がありました。
日もだいぶ傾いてきました。

苦しんでいた股ずれも、ここまででようやく納まった感じで、少しずつ走れるようになってきました。
走れるようになるとそこそこペースも上がってきます。

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素浜海岸は単調なストレートが続きます。
長く続く砂浜に併走するほぼアップダウンなしの道が5km。
走りやすいと言えば走りやすいんですけどね。
追い越したランナーが「飽きますね・・・」とぼやいてました。
このくらいなら、新潟市の夕日ラインの方が単調だよなーと思えるので、
俺としては見慣れた感じで良かったのかも。

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海に日が沈むところです。

このまま海に日が沈むまで休憩にしよう、と思うものの、
この頃走れていたので、もうちょっと先、もうちょっと先・・・・・・と、止まれず。
素浜海岸を走りきると、銀のねこさんに「きっつい登りなんだよー」と聞いていた、
長い登りが待っています。
日が沈まない。休憩か?いや、上から見下ろすのもいいかも?
・・・・・・止まれないもんですね。
結局、せっせと坂を走って登り、そろそろ沈む時間、というところで海側が開けておらず、
せっかくの夕日が海に沈むところが見られる機会だったのに、見逃してしまいました・・・・・・

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そして日が暮れ、2日目の夜が始まりました。

ここからコースは海岸線を離れ、やや内陸側を進むことになります。
長い上り坂を進みます。
日が暮れたのでヘッドライトを出して進みます。
やがて歩道がなくなり、夕方で交通量の増えてきた国道。
こちらに気が付いていないのか、ギリギリであわててハンドルを切るような動きをする
車も多数。
進みにくい・・・・・・登っても、登っても終わりの見えない坂。
この坂、どこまで続くんだろう?
地図を出してみますが、さっぱり現在地の地名が地図上に見当たりません・・・・・・
あれ?おかしいなぁ・・・・
長い坂の始まる頃には、周辺に他のランナーも見えていましたが、
前後を見ても見当たらず。
もしかして俺、コースを間違えているんだろうか??
でも、ずっとまっすぐな1本道なので、間違えようもない・・・・・・
寒くなってきましたが、上着を出したくても、
歩道のない国道なので立ち止まっていられるスペースもなく、

・・・・・・あああ、もうやだ・・・・・・
現在地もわからんし、寒いし、暗いし、
ちょっと心折れてしまいました。

それでも時計を見て、時間としては十分間に合うハズなんだ・・・・・・
野辺山で習得したスキル「最後の1分1秒まであきらめない」発動です。
だから、足を止めることはありませんでした。
たとえコースを間違えていても、このまま真野まで行って、
そこから正しいコースに戻ってもいいじゃないか。

やがて海に面した歩道に出ました。
改めてバス停で地図を確認。
見つけた。
残りハーフマラソンちょっとのようです。
蘇りました一気に。
よし、行くぞ~~っ!と。
走りはじめました。
のこりハーフなら、ゴール目前も一緒です。あと3時間だな!

せっせ、せっせと早歩きな感じで走ります。
足が痛いのは気のせい。足の裏にだいぶ痛みが来ていたんですが、
気のせいだと思えば、痛いのは気のせいというか当たり前だと思えました。

ここで1つ、俺は大きな間違いをしていたことを発表させていただきます。
相川は、国仲平野を挟んで両津の反対側にある町だと思っていました。
相川ってこの大会をスタートしたあたりだったんですね・・・・・・

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やっと佐和田の街中に入ってきました。

ここまで走ってきましたが・・・・・・力尽きました。
あと少しなのに、全然進まない、と。
上の写真に写っている方々に追いついたり追い越したり。
思えば今日は、走りはじめるといいペースで進めて、歩きはじめるとガクッとペースが落ちる。
そんな感じでした。
同じ方々とすれ違っているので、そのことに気が付きました。
これをもう少し均等に力を配分できると違うんでしょうけど。

先行していた彼らに追いつくと、どうも交差点で道を悩んでいる様子。
「たぶん、こっちですよ」と先行します。

そして距離が200kmを越えました。
あと8km、大佐渡の南端を回ればゴールです。
相変わらず、彼らと追い越せ追いつけ(追い越すつもりは互いにないと思いますが)
俺も、進んでは足の痛みから減速する状況でしたので。
地図をみて行先を迷っている状況を見ては、あー、こっちですよ。とご案内。
「ここから最後の登りですよ」
と、聞きました。勝手に大佐渡南端は平坦で終わると思っていた俺は、
その言葉にがっくり。
そうですよね、4つの先端は山がちだと自分で気づいておきながらここだけ平らなんて
そんな都合のいいようにいきませんよね。

追いつくと、坂の途中で彼らが腰を下ろして休憩していました。
「あと少しだからちょっと休んでいきましょう」ということで、
俺も混ぜてもらいました。
俺はいつも単独で100kmウルトラに出ているので、今回も当然ひとりでゴールと思っていましたが、
このまま彼らと行くのもいいかもしれない・・・と思い始めていました。
ペース一緒だし。

やがて再出発。
一緒に行くのもいいかも・・・と思ったんですが、足の痛みからズルズルと後退。
あと8kmなんだけどなぁ。
いつの間にか彼らの姿も見えなくなってしまいました。

フラフラとセンターラインへ・・・・・・
あれ?寝てた!?
これはやばいです。ここまで来てまた睡魔との戦いです。
こ、ここまできて。
そうだ、眠くなったら走るんだ。
今朝、教えてもらった方法を思い出しました。しかし、走れるのか??
いや、もう走るしかない。
あとほんの数キロだろう。

走りました。
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橘集落からゴール方向。
ああ、きっとここからボウリングのピンが見えるんだろうなぁ、という場所です。
ボウリングのピンが道端にあって、ゴールまであと1kmちょっとの目印なんですよね。

あと1kmもあんのかい・・・・・・走れるのか?
いや、走らないと寝てしまうので、走るしかない・・・・・・
やっと「ホテルめおと」の建物が見えてきました。
着いた!着いたー!と思ってたら、先行していた彼らに追いつきました。
走ってきた俺を見て、たいそう驚かれてました。
いや、俺も驚きです。ここまできて走れるとは。

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ゴール地点「ホテルめおと」です。
しかし、スタートラインは駐車場にありましたが、ゴールラインというものはありません。
玄関前の階段を登り、ホテルのロビーに入ったところがゴールです。
(河岸段丘ウォークみたいだな)
208km走ってきて、ゴール前に階段・・・・・・
這うように登るんだろうと、予想していましたが、なんか、走って登れちゃいました。
階段の上に「銀のねこ」さんが立っていました。
ここでゴールするランナーの出迎えをしていたようです。
「おお!銀ねこさん!」と声をかけつつ、立ち止まる余力はなかったようで、
そのままロビーに「ただいまー!」と言ってゴール。

午前2時10分、ゴールしました。
44時間と10分の長旅が終わりました。

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ハヤシライスをいただきました。
ひさしぶりにまともな食事だった気がします。

銀のねこさんに「いやー、やっぱりしんどかったです」と報告しながら食べる。
ねこさんのタイムを聞いてやっぱり速いなーと、思う。
この時は頭もまわっていなかったので、すごいなーで終わってたんですが、
翌日、打ち上げで女子優勝だったと知りました。す、すげー・・・・・・

その後、風呂に入って汗を流し、
荷物と一緒に寝ました。
午前6時。大会の制限時間48時間です。
マナーモードになっていたと思っていた目覚まし時計が鳴る。
(周りで寝てた方お疲れのところスイマセンでした。設定し損なっていました)
眠い耳に外から歓声が聞こえてきました。
最終ランナーが帰って来たようです。
その歓声を聞きながら、俺はふたたび眠りに落ちていきました・・・・・・
なんで6時に目覚ましを設定したのか、よく覚えていないんですが。


本当に、長い、長い佐渡1周の道程でした。
スタートした時から体が重く、結局、ほとんど歩いてしまった気もしますが、
マラソンを始めた時から目標としてきた大会を完走できて良かったです。
200kmを走ることも初めてでしたが、夜通し走ることもそうですし、
経験不足を痛感する大会でした。
そりゃあ、初めてなので当然なんですけど、もうちょっとうまくやれたら・・・
と、思わずにいられないです。

ちなみに、大会から1週間ちょっとが経ちましたが、
いまだに達成感がありません・・・・・・
ウルトラを走った時って、結構そうなんですよね。
大変すぎて現実味がないというか、ゴールした瞬間は「ゴールしたぁ!」って思うんですけど、
本当にやったのかなぁ?って思ってしまいます。
で、後から完走メダルとか完走証を見て、ふつふつと達成感がわいてくるのですが、
今回はそういうものがないので・・・・・・
(写真つきの記録書が後日送られてくるそうです)

まぁ、身体に残った疲労が、あの佐渡1周の記憶をしっかり残してくれています。
1週間たってやっと、足のむくみとか治ってきた気がしますわ。


さて、次は100kmウルトラだなぁ~~~


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